2015.06.09
母の浴衣。
母は、私が小学校に入るくらいまでは普段からよくきもので過ごしていたので、この浴衣を着ていたのも覚えています。浴衣は鮮明に覚えているのに、何色の帯を締めていたのか、どんな帯結びをしていたのか、全く記憶にありません…
小さな子供は、お母さんと一緒に立つとお母さんの腰のあたりを見ることになり、お母さんが座ると顔を見る事になるので、つまり帯を見る機会があまりなかったワケで、決して注意力のない子供ではなかったと…ちょっと無理のある言い訳でしたね。。
…とにかく、そういう訳で、この浴衣にどんな帯を合わせていたのか分からないので、現代の帯を使って文庫結び風に。メインのお羽根、ハートをイメージして作ってみました。浴衣の柄も尖った感じなのでシャープに。
今回使用した帯は、表裏同じ色ですので表しか出しませんでしたが、違う色のリバーシブル帯を使えば、様々な表情を出せて遊べる帯結びです。
同じ浴衣に、グッと大人っぽい帯結びを。
貝の口結びのアレンジです。貝の口は、別名男結びとも言い、男性が角帯で締めることが多い帯結びです。男性の着流しや浴衣姿のほとんどは、この男結びをしているのではないでしょうか?
写真の帯結びは、男性が締める基本の男結びに、左下に出ている裏を見せた羽根を1枚プラスしました。直線だけでシャープにあっさりと表現した、いかにも男らしい帯結びですから、女性が締める場合、可愛らしいというよりは粋な姐さん、あるいはチャキチャキ動く働き者かあさんといったイメージでしょうか。
50年以上前の浴衣ですが、今でも十分に通用して、しかも、帯結びを変えれば長いあいだ着る事が出来ます。そして何より嬉しいのは、多少太ったり痩せたりしても着られちゃう事♪
着物って、やっぱりすごいなぁ。