着付け教室、出張着付け、組紐アクセサリーなら、相模原市南区の高橋美登里礼法きもの学院

高橋美登里礼法きもの学院

老人ホームできもの展示のその後

2015.01.10

年末年始の期間、老人ホームで「晴れの日のきもの展」と題してきもの展示をしていました。

老人ホームできもの展示

引き上げの日は5日と決めていたのですが、具体的な時間のお約束はしていませんでした。
5日の朝10時過ぎに先方からお電話があり「…実は…入所しているかたが、白無垢を羽織って写真を撮りたいと申しておりまして…何時頃こちらにいらっしゃいますか?」「午後3時頃伺う予定をしていましたが」と言うと「…その方は、もう髪をセットして待っているんです…」
えっ!?髪をセットって…白無垢のヘアスタイルは島田に角隠しか綿帽子ですよね!?

ダッシュでやるべき事を済ませ、老人ホームに着いたのは午後1時近くでした。そこには、白い布でそれっぽく髪をセットしたご婦人と、ビシッと黒スーツに白ネクタイを締めた男性が。
ご婦人は歩く事が難しく、立っているのがやっとの様子。とても花嫁衣装一式を着るのは無理そうでしたので白打掛だけを羽織ってもらいました。写真を撮る間、なんとか自力で立ってていただいて、その後スーツ姿の男性がお隣に立ち、後ろから支えてツーショット写真を1枚。

白無垢を羽織って    ツーショット写真

ご事情をうかがうと…
ご婦人は、独身との事。年齢的に、適齢期の頃は戦争中でしょうから婚期を逸したのかもしれませんね。今回の晴れの日のきもの展をご覧になり、「私も一度で良いから花嫁衣装を着てみたかったわ」とつぶやいたのを入所仲間が聞いて、「是非着せてあげたい!」と立ち上がったのでした。
ヘアスタイルは、そのお友達が髪に綿などを詰めてボリュームを出し、白い布を綿帽子の様にかぶせて作り上げたとの事。そして同じく入所仲間の男性も花婿役を。
写真を撮り終えたご婦人は涙ぐんでいらっしゃいました。
仲間がいるっていいですね!