2013.03.29
きものをはじめた頃、苦戦したのが染織品の産地を覚える事でした。
地理が大の苦手だった私は、全国の都道府県を覚えるところから始めました。鳥取と島根は、どっちが左側?香川は徳島の上だっけ??
…東西南北ではなく上下左右で考えるところが、すでにアウトですね。
そんな風にしてまずは都道府県を覚え、それから「あら、大島紬は伊豆七島の大島じゃなかったのね」とか「友禅染めは京都だけじゃないのね」など、1つ1つ覚えていったのですが、ある日“やみくもに産地=染織品と覚えるよりも染織品の特徴や歴史を調べ、それと土地を関連づけて覚えた方が時間はかかるけれど忘れない!!”と言う事を発見しました。(みなさんとっくに発見済みですよね…)
それからは、旅行の時には必ず事前にその土地の染織品を下調べし、旅先の観光協会で染織品に関わるパンフレットを入手。見学が出来る工房などがあればコースに組み込みます。そして「百聞は一見に如かず」なので、反物を買い…という財力はないので、小物を買います…
そんな風にして集めた染織品の小物たち。弘前こぎん刺しや沖縄ミンサーのテーブルセンター、黄八丈のストラップや、有松鳴海絞り・越前墨流し・紅花染め・藍染めなどのハンカチ、ユーカラ織りのポーチや、博多織の印鑑ケース、佐賀錦の小銭入れ、伊予絣のコースターなどなど…
きもの教室をするようになってから、随分役立っています。染織品のお話しをしながら、実物をお見せすると、皆さん、イメージがしやすいですから。
ですので、生徒さんにも、旅行の時には前もって染織品を調べて、旅先で時間があったら見てきてね、とお話しています。
先日、生徒さんが伊豆七島の大島へ旅行してきました。そして、絞り染めの体験をしてきたそうです。あら?大島に有名な絞りや染めがあったかしら??と思いつつ、お話しを伺うと…何と、椿の花で染めるのだそうです。大島と言えば椿だけれど、私は椿油しか思い浮かびませんでした。
椿の地模様のハンカチの、ところどころを糸で縛り、赤いやぶ椿の花びらから抽出した染料に浸し、縛った糸をほどいて干します。すると、縛っておいた糸の部分だけ染まらずに白く残ります。
という事を、実物のハンカチで説明してくれた生徒さん。可愛らしいピンンク色に染まりましたね。そして
楽しい体験が出来て、大満足♪
このハンカチ、よかったらもらってください、先生の染織品の小物の1つに
とおっしゃって、頂いてしまいました。
ありがとうございます! 旅先で、この体験をしようと思ってくれた事だけでもすごくうれしいのに、作品をいただけるなんて!「赤いやぶ椿の花びらで染めたハンカチ」とメモを添えて、小物コレクションの仲間入りさせていただきました。