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高橋美登里礼法きもの学院

夏きもので素敵な笑顔とともに

2015.07.23

毎日、暑い日が続きます。

こんな日は、何年か前の暑い日の出来事を思い出します。

猛暑の中、きものを着て重い荷物を持って歩いていました。すると前の方を、やはり涼しげなきものを着て、荷物を持った初老のご婦人が歩いていました。こんな時、なぜだか親近感が沸いてきます。きっと、気持ちがわかるからなんでしょうね。

夏のきものは、少しでも風が吹いてくれれば案外快適です。布地自体が風通しのよい粗い織りである事に加えて、ロング丈で長袖だけれど身体に密着させずにゆとりのある形になっていますので、足や腕は日陰にある訳です。そこに風が吹くと涼しいですよね。

…でも…風が吹かないと…。

その日は、風のないカンカン照りでした。着物で荷物を持ったご婦人の後ろ姿に「お互い、大変ですね」と心の中でつぶやきながら歩いていました。と、ご婦人、荷物が重かったのか、立ち止まりました。そして私はどんどんその方に近づいてゆきます。私は、心の中で思っていた事をお伝えしたくて、通り過ぎる時に軽く会釈をしました。

すると、ご婦人、にこやかな笑顔で

お暑うございます

とおっしゃいました。何て素敵なご挨拶なのでしょう!だって、言いたい事そのものズバリですし、初対面同士でもちっとも不自然じゃありません。もう2度とお会いする事のない方かもしれないけれど、だからこそ感じ合うものがあったら伝え合いたいですね。

日本語には、バッタリ道で会った時にかわすご挨拶の言葉がたくさんあります。それはきっと、四季のある国だからかもしれませんね。