2010.09.13
リハーサルから、モデルさんにはかつらをつけてもらい、本番同様にしました。
白無垢は、先生役、助手役の2人で着装します。
私は先生役で、おもにきものの前と帯の後ろを担当。
モデルさん、実は助手役の先生のお弟子さん。
和服のよく似合う、本当に可愛らしいお嬢様でした。
日本舞踊もお稽古していらっしゃるとのことで、所作も本当にきれい!
白無垢姿が絵になります。
このお話しがきた時、最初に考えたのは“どのようなコンセプトで白無垢の着装をするか”でした。 もちろん“きものの先生”としては、高度な技術で美しい白無垢姿に仕上げる事は重要ですが、そこを最重要点にしてよいのか?
私は、今回は、そこが最重要点ではないと判断しました。 ショーというのは、見てくださるお客様を楽しませてこそ、だと思うのです。 助手役の先生も同じお考えでしたので、見せる=魅せる着装をコンセプトに練習しました。
無駄な動きはそぎ落とせるだけそぎ落とし、先生、助手、モデルの呼吸を合わせて、ダンスをしているかのような着装、が目標です。 例えば、モデルをはさんで前と後ろに立っている先生と助手が、同時にひざまずくようにする。 やるべき事がなくなって、早くひざまずいて次の事をしたいと思っても、どちらかが終わり、合図を送るまで何もせずに待つ。 2人が同じタイミングで同じ動作をするのは見ていてきれいですし、片方が待つ、というのは、動いているもう片方を引き立たせる効果もあります。 たとえ時間的ロスがあったとしても、ショー的にはその方がきれいだと思います。
綿帽子は、助手が後ろからかぶせかけ、先生が前から受けてしっかりモデルにかぶせます。 この時、モデルに少しかがんでもらわないと、手が届かず、美しくかぶせられません。 ですから「私が、目で合図を送ったらかがんでください」と、事前にモデルと打ち合わせをしていました。 綿帽子をかぶせるため、モデルの正面に立った時、合図を見逃すまいと、私の目をじっと見ているモデルの視線を感じました。 私は、後ろの助手の動きを目で追います。 そして、モデルに合図を送ると、絶妙のタイミングでかがんでくれました。 先生、助手、モデルの呼吸がピッタリ合った瞬間でした。
終わってみれば、反省点は多々あります。 ショー的要素にこだわりすぎて、技術向上をおろそかにしていなかったか? はたしてどこまで目標に近づけたか?
今後の課題にしたいと思います。