2017.07.22
「喪服の着付けをお願いしたいのですが…」
と、お電話をいただいたのは1週間程前。
初めてのお着付けの場合、必要な小物類が揃っているかどうかがわからないので、事前に点検に伺うか一覧表を送るようにしています。なので「お着付けに必要な小物類は…」と伺ったところ「お葬式の時に着たのがそのままあるので大丈夫です」との事。
…ん??お葬式の時に着た??お葬式はもう終わったのね。では、今回はなぜに着るの??
とちょっと不思議に思いましたが、きちんと一式揃っているようでしたので、お着付けの場所を伺って電話を切りました。
そして今日、お着付けの為にご自宅に伺いました。
喪のスーツ姿のご主人様が「暑いところ、ありがとうございます」と、丁重に出迎えてくださり「以前、着付けてもらったので今回もお願いしました」
…ん??私、ここに来るのは初めてだけど??以前着付けた??
と、伺うと、去年、葬儀社様からのご依頼で、斎場でお着付けさせていただいたのでした。
つまり、去年、斎場でお葬式のお着付けをさせていただいたが、一周忌の今回はご自宅で。そして、その時の一式がそのままあるので小物類の不備はない。なるほど、話しが繋がり、去年、お着付け後、お焼香をさせていただいた時の、にこやかに微笑むお母様の遺影写真を思い出しました。
そして
「去年、着付けていただいたのが全然着崩れしない上に、すごく楽で。親戚が何人か『着付け、紹介するよ』と言ってくれたんだけど断って、髙橋さんにお願いしました」
ホームページを探してくださったようです。
もうね、着付け師師冥利に尽きます。
故人を偲ぶ大切なセレモニーのお支度をさせていただき、身が引き締まる一日でした。