着付け教室、出張着付け、組紐アクセサリーなら、相模原市南区の高橋美登里礼法きもの学院

高橋美登里礼法きもの学院

千總のおさるさん

2015.11.09

千總のおさるさん

生徒さんからの京都のお土産。

京友禅の老舗、千總がプロデュースする雑貨ショップ「SOHYA TAS」で購入したそうです。「SOHYA TAS」では、主にストールとアクセサリーを取り扱っているそうです。

↓熨斗がハートみたいで可愛いですね♪

千總のおさるさん

さて、頂いた色紙、おさるさんの表情もすごく可愛らしいのですが、何と言っても色合いが鮮やかで素敵!この色紙は京友禅染の技法を用いて、何枚もの型紙を使用し、全て手摺りで仕上げたものだそうです。さすが染めの千總さん!

 

「千總」というと、私は“友禅染のトップブランド”という認識で、友禅染とともに誕生し発展してきた呉服商というイメージだったのですが、千總さんは創業460年との事。

あれ?宮崎友禅斉が友禅染を考案したのは元禄時代、350年?くらい前。千總さん、それよりもずっと前の創業じゃない?

 

…という事で、謎を解くべく千總さんのホームページを見せて頂いたところ、創業当初は法衣装束を主とする織物業だったそうです。その後、友禅染が流行りはじめると友禅染のきものを手がけるように。友禅染が考案されるまでは、刺繍や絞り染めなどで絵を描いていた訳だから、刺繍のきものは重いし、絞り染めだと精緻さには限度がある。だけど友禅染なら、紙に絵を描くように白地の布に自由な色使いで繊細な絵も描けます。いち早くそこをしっかり研究し、ブランドとしたのはさすがですね。

それにしても…華やかな友禅染は、お坊さんが着る法衣とは随分趣きが違うきもの。にも関わらず、そこにしっかり目を向けるとは、先見の明アリですね。

 

その後、化学染料が使われるようになると型友禅を開発し、大量生産を実現。と同時に日本画家の巨匠たちに下絵を依頼し、芸術性の高いきものの制作も。庶民の懐事情と芸術性の両方を満たすべく同時に進めていくのもさすがです。

 

千總さんのきものは色に深みがあり、時に大胆な色使いをするけれど違和感がなくきれいだなぁ〜、と思っていたのですが、やはり色に対する地道な研究があったのですね。その技術の高さから、皇太子殿下(現・天皇陛下)ご成婚の際には美智子様のご調度品を、そしてそれ以降、秋篠宮様妃紀子様、現・皇太子殿下妃雅子様のご調度品のご用命を受けているそうです。

 

ん〜、やはりトップブランドですね〜。

成人式などで、千總のきものに龍村の帯、というお嬢様にお着付けをするの、すごく緊張しますもの。

 

千總のおさるさん、ありがとうございました!

新年になったら飾らせて頂きますね。