2015.10.19
ある日のお稽古、生徒さんが目をキラキラさせて「家族で、河口湖にある久保田一竹美術館に行ってきたの。す〜〜〜っごく素敵だった!!」と言いながら、美術館で購入した写真集を見せてくれました。
それを見た他の生徒さん「すご〜い!私も行ってみたい!」
久保田一竹は、室町時代に流行し江戸時代に途絶えてしまった幻の染め物「辻が花染め」を現代に再現させ、さらにそれを一竹流に進化させて「一竹辻が花」として完成させました。数々の絞りや染めの技法を駆使した美しい染め物です。
20年ほど前、都内で催された久保田一竹展に行った事があります。20点ほどだったでしょうか、連作のきものがガラスのウインドウに展示されていました。1枚の着物は、それで完成されたものなのですが、並べてみると絵がつながっていて壮大な自然の風景になります。なので、遠くから全体を眺めたいのですが、何しろ大変な混雑で、ウインドウから離れてしまうと着物の下半分は人、人、人でまったく見えず…少々消化不良で帰ってきました。
そんな事もあり、「じゃあ、皆で行きましょうよ!!」「うん、行く、行く!!」と即決。以前から行ってみたかったという生徒さん、チャッチャと電車の時刻などを調べてくれて、トントン拍子に事は進み、10月17日(土)遂に行ってきました〜♪
が…当日はあいにくの雨。着物で行こうと予定していた生徒さんも急遽お洋服に。だって、ロープウェイでカチカチ山に登ろう!という話しもあり、雨でぬかるんだ山道をきものでは厳しい。という訳で、今回は、初の全員お洋服。私の着物姿しか見た事がない生徒さんは、しばしキョトン?でした(笑
電車はこちら。土日のみ運行の特急電車「ホリデー快速富士山1号」。普通乗車券だけで乗る事ができます。2人がけの椅子をくるりと回してボックス席にできるので、旅行気分満点♪
河口湖に着いた時には雨は止んでいたのですが、何しろこのドンヨリした空…山々の上の方は霧が立ちこめ、全く見えません。もちろん富士山のかけらも見えず…
まぁ、第一の目的は久保田一竹美術館ですからバスで直行。20分おきくらいに走っていて便利。
入り口が素敵♪ 着物の美術館なので和風なのかと想像していたら、アジアンテイスト。
美術館内部はもちろん写真撮影禁止でしたので画像はありませんが、本当に素敵でした〜!
年に数回、展示品の入れ替えがあるのだそうですが、以前見に行ったあの連作も展示されていました!
そしてビックリな事に作品はガラスウインドウに入っていないんです! 衣桁にかけて、そのまま展示してあります。もちろん手に触れる事は禁止ですが、触れようと思えば触れられる近さで見る事ができるし、きものの裏側を覗き込むこともできます。ほとんどの着物の裏地は、胴裏と八掛の2枚使いではなく1枚で出来ていて、裏地も凝ったものでしたよ。
緻密な絞りや所々に効果的に施された縫い取り、微妙な色の変化などを間近で見ることが出来て、ため息。そして念願の、遠く離れて全体を見る事もできました〜!
茶房「一竹庵」ではお抹茶やぜんざい等を頂けますが、スタッフの方が「ご注文は無くて大丈夫ですので、是非、中をご覧ください」と案内してくださいました。
窓の外にはお庭の滝が見えて素敵なお部屋。実際にお使いになっていたお部屋だそうで、茶房でキッチンとして使っている所には内風呂が、お庭には露天風呂がありました。
お庭も素敵♪ 雨も上がった事だしお庭に出てみました。なんて綺麗な紅葉!
一竹美術館を堪能した後は昼食。せっかく山梨に来たのだからと、ほうとうを頂きました。
その後、カチカチ山ロープウェイ乗り場まで移動しようとバス停に行ったら、出てしまったばかり。じゃあ、歩いちゃおう!と歩きはじめたのは良いのですが、「綾小路きみまろの喫茶店がある!」とか「美味しそうなおまんじゅう屋さん♪」とか「トンボ玉制作体験!?」とか、あちこちで引っかかる事(笑
カチカチ山ロープウェイに着いて時計を見ると、頂上滞在時間5分くらいにしないと帰りの電車に乗れないという事態に。でもせっかく来たのだからと、欲張り女子としては当然乗ります!
カチカチ山は、昔話の「カチカチ山」を太宰治が新解釈で書き直した小説「カチカチ山」の舞台になった場所と言われているそうですよ。兎が女性、狸が男性の恋愛小説で、最後は昔話と同じで泥舟に乗った男性が沈んじゃうんだとか。
さて、ロープウェイ、兎が乗っていました。写真は撮れませんでしたが狸バージョンもありました。
兎さん、可愛い顔して…と思わず結末を思い出し…
カチカチ山頂上では、何と言う事でしょう〜〜〜〜♪ 雲はなくなり、こんな景色が!!
富士山を撮影したら、急ぎ下山。またまた河口湖行きのバスが出たばかり。では、歩いちゃおう!と歩いて駅にたどり着くと、駅舎の向こうに綺麗な富士山!
大満足の珍道中でした♪