2015.04.08
久しぶりに男性のきものレッスン。
女物に比べると男物の方が簡単なのに、きものを着る男性って少ないですよね。街を歩いていても男性の着物姿の方が珍しくて目立ちます。
ですので男性のきものレッスンのご依頼は、女性に比べたら圧倒的に少ないです。女性のレッスンしてみたい理由No.1は「きものを楽しみたい!」ですが、男性の場合は「着なければならない事情がある」がほとんど。たとえば、海外できものを着る必要があるとか。
ですが今回の方は、お着物好きの奥様の影響でご自身もお着物がお好きなようです。
5月にお友達を招いての披露宴を予定している新婚さん。実は、その披露宴で、私が花婿さん花嫁さんにお着付けをします。今回のレッスンは、その時にお召しになる花婿さんの衣装合わせも兼ねて、せっかくだから普段着物の着方もマスターしましょうという事に。
まずは土台作り。スリムな男性なので、胸元からお腹周りにかけて、ガーゼと綿で補整。首元からボーダーのTシャツがのぞいているのはご愛嬌。
※ご本人様ご了承の上、掲載しています。
ふむふむ、やはり補整はこのくらい入っていた方がいいわね。
まずは、着物の完成。着物とTシャツの色が妙に合ってる…
帯は、袴の後ろ姿にボリュームをつけたいので一文字にしました。長襦袢と着物の丈が長かったのではしょり上げて。何だかこのまま飛脚になって走り出しそう!? 帯の上のきものには、動きやすいようにゆるみ分をつけました。
いよいよ袴をつけてゆきます。
女物の袴の後ろは、きものと帯に斜めにつけますが、男物はきものにぺったりとつけてしまいます。
前姿完成。十文字に締めてゆく袴紐を見ながら「覚えられない…」と彼。一緒に来ていた奥様もチャレンジしてみましたが、やはり「1回やったくらいでは覚えられない〜」。 大丈夫、披露宴本番で、「忙しいから袴紐を結んでおいて〜」なんて言わないから〜。
衿元からTシャツがのぞいていると、書生さんみたいね。
出来ました〜。即席でTシャツを隠してパチリ。
さて、ここからは自分で着物を着るのよ〜。奥様のおばあちゃまが誂えてくださった大島紬にチャレンジです。
まずは長襦袢。男物は使用する紐数が少ないので手順は簡単なのですが、その分、適切な場所にしっかり紐を締めないと着崩れます。
続いて帯。前で結んでから後ろに回します。あまりに長い帯に四苦八苦。
何とか出来て後ろに。帯結びは奥様のリクエストで貝の口をマスター。この帯結び、背中のどこに置くかで印象が違ってきます。ど真ん中に置くと丁稚の小僧さんになっちゃうし、脇に寄せ過ぎちゃうと極道チックに。背中央と脇のちょうど間くらいが粋でしょうか。
羽織を羽織って完成です。この、房を上に向けて結ぶ羽織紐の結び方、形よく結ぶのは結構難しいんです。なので、くれぐれも羽織紐をほどいて脱ぎ着しないようにね! 羽織紐に付いているS字カンを外して脱いでください。
奥様もご主人の着付けにチャレンジ。ご主人、自分で着ている時とお顔が違いますね〜。奥様に着付けてもらって嬉しそう!
ザ・日本男児!という感じで、着物すごくお似合いですよ。是非、お二人揃ってお着物でお出掛けしてくださいね♪