きもの着付け教室、着物出張着付けなら、JR横浜線「古淵」の高橋美登里礼法きもの学院

高橋美登里礼法きもの学院

ホテルで作法研修

2015.08.12

今年も、ホテル内のレストランできものを着てお仕事をする方を対象とした、所作の研修をさせていただきました。

 

こちらのホテルは、毎年4月に、きもの着用の部署に配属された新入社員を対象に、着物研修をさせていただいています。その着物研修から3ヶ月が過ぎ、毎日きものを着る事にも慣れてきて、その他の事を気にする余裕が出てきた頃の作法研修。

 

新入社員は、ホテル従業員としての心構えやマインドを、入社当初にしっかり叩き込まれています。その“思い”を、思っているそのままの形で、お客様の心に届けなければなりません。今回は、その“思い”を伝える方法を学ぶための研修です。

 

思いを伝える方法は、1つではありません。

最初に思い浮かぶ方法は「言葉」でしょうか。その言葉に、例えば笑顔やお辞儀といった「行い」がプラスされるとより伝わりやすくなります。そしてそれに、身だしなみも含めた「装い」を美しくする事でしっかり思いを伝える事ができます。

 

思いを伝える方法、キーワードは「言葉」「行い」「装い」。

 

今回は、始めに復習も兼ねて「言葉の大切さ」について、皆さんに考えていただきました。たとえば基本中の基本「いらっしゃいませ」という言葉。感謝の気持ちを込めてお客様をお迎えする言葉です。どんな状況にあっても、この言葉を言わないお店は繁盛しないと、私は思います。例えば、お店が混んでいてすぐにお席にご案内できる状況ではない時でも、この言葉があればお客様は「お店のスタッフは私に気付いてくれた」とスタッフが来るまで待っていてくださいますが、いらっしゃいませと言う間も惜しい、と言わんばかりに忙しくしていたら、お客様は「忙しすぎて気付いてくれない、私はいつまで待てばいいの?」と、お店を出て行ってしまいます。

が、この言葉の役割はそれだけではありません。入店したお客様を見る事ができない位置で働くスタッフに「お客様がみえましたよ〜」と知らせるスタッフ同士の合図にもなります。

 

同じように「かしこまりました」や「お待たせいたしました」などの言葉にも、その言葉本来の意味以外の意味合いが隠されています。それらを少し考えて頂いてから立ち居振る舞いの練習をしました。

 

立ち居振る舞いの基本、美しい立ち方からはじまり、美しい座り方(正座の仕方)、お辞儀の仕方、室内での歩き方、方向転換などを、まずは割稽古。きものは、裾が長くはだけやすかったり、お袖が長かったりで、美しくスムーズに動くにはコツがあります。それらを1つ1つ確認して、最後に通しでお稽古。

 

お部屋出入り口辺りから壁沿いにお部屋の中央まで歩いてきて、方向転換してお客様(想定)と向き合います。そして正座。そこで「○○でございます。よろしくお願いいたします」と言葉を述べてお辞儀。再び立ち上がり、出口に向かって方向転換し出口付近まで歩く。

この一連の流れが出来ると、女将になれます!?

 

割稽古では上手く出来ていたのに、通しになるととたんにぎこちなくなってしまいます。所作は、頭で考えているうちはまだまだ。普段私たちが動く時、頭で考えるより早く身体が動きます。まずは、その状況を作り出さなければ。そしてそれは日々の積み重ねで出来る事、1回の研修で出来るものではありません。

 

なので、最後に私が取り出したのはiPad。皆さん、何かを察したようで…

お察しの通りです(笑

お一人ずつ、動画撮影をし、客観的にご自身の動きを見ていただき、明日からに活かしていただきたい。「動作」という器が完成されていなければ、動作の手順にばかり気を取られて、そこに「言葉」を込める事はできないのです。

 

今回の研修で学んだ事を、明日からの日々でどれだけ意識できるかで、1年後2年後の所作が違ってきますよ、頑張って!

 

あ!、撮影した動画は、約束通り消去しましたよ〜。