きもの着付け教室、着物出張着付けなら、JR横浜線「古淵」の高橋美登里礼法きもの学院

高橋美登里礼法きもの学院

訪問着の作り方

2015.01.29

「きものの構造って、どうなってるの?」

「訪問着って、どうしてお高いの?」

 

そんな疑問にお答えすべく、お教室で紙を使って訪問着を作ってみました。

ちょっとした図画工作です。

 

1)白生地の反物を用意

まずこちら、きもの1枚分の反物に見立てた長〜い紙。

大人の女物きもの1枚分の反物は3丈物とも言われています。1丈が4メートル近くありますのできもの1枚に必要な反物の長さは約12メートル。

訪問着の場合は4丈物の場合が多く、1丈分は八掛(腰から下につける着物の裏地)にするのですが、今回は単衣の訪問着という事で。

本物の10分の1サイズの紙です。

白生地

ちなみに、1丈=約4メートル、1尺=約40センチ、1寸=約4センチ、1分=約4ミリ、1厘=約0.4ミリ。

私、初めてこれを知ったとき驚きました。1ミリ以下の単位が存在するって、日本人って本当に繊細な作業が得意なんだな〜、と思いました。

 

 

2)裁断準備

この反物を裁断する為に印をつけてゆきます。

左から、袖、身頃、おくみ、衿などを取っていくと、身長によっては右側に余り布ができます。この右側の余り布以外は、まったく余りません。スリムな方で布幅が余る場合も、切らずに折り込んで縫います。

そしてこの余り布、まとまった残布なのでバッグや草履などアイディアによって色々なものを作る事が出来ます。と言う事は、全く無駄がない訳です。

印つき

 

3)裁断

印を付けたら、その通りに裁断します。

裁断

 

4)仮縫いをする

今回は紙ですので、糊で張り付けました。細かい作業なので、皆さん、結構苦戦していましたよ。白いきものの出来上がり。さみしいですね。

仮縫い

 

5)下絵を描く

仮縫いをしたきものに下絵を書きます。

この工程があるからこそ、縫い目にまたがった絵柄もぴったり合うようになるのですね。

下絵

 

6)仮縫いをほどく

本格的に繊細な絵柄を描くために、仮縫いをほどきます。

この時、皆さん「え〜〜〜!?せっかく張ったのにはがすんですか〜〜〜?」

…だから訪問着はお高いのよ…

 

仮縫いをほどく

 

7)色づけをする

仮縫いをほどいて平らな布にすると色づけしやすいですね。縫い込み部分にも絵が描けますし。ただ…皆さん、ここで、下絵の重要性にハタと気付き愕然とするのです(笑

バラバラになると、何が何やらわからなくなります。

色づけ

 

8)縫う!(訪問着の完成)

ここで初めて、お召しになる方の寸法に合わせて縫います。

呉服屋さんで販売する場合は、まだ買手の寸法はわかりませんので、もう一度仮縫いして店頭に出します。

縫う、表面

後ろ身頃は、こんな感じに仕上がりました。

縫う、裏面

 

そのほか、こんな訪問着も。

バラ柄

 

9)おまけ…小紋の作り方

プリントされた反物を裁断し

小紋反物

縫う!(小紋の完成)

小紋完成

 

 

いかがでしたか? 小紋と比べると、訪問着はこれだけ手間ひまをかけて作るのですから、やはりそれなりのお値段になってしまいますね。

 

そして、この工程をご覧頂いてわかるように、実は、訪問着の柄付けに決まりはないのです。だって、きものの形にしてから下絵を描くのですから、どんな風にでも描けます。この工程を経ていれば、例えば前身頃とおくみにかけてにワンポイント柄をつけただけでも訪問着です。ただ、せっかく複雑な工程を経たのにそんなシンプルなきものを作ってもお値段が高すぎて売れないので作らないだけです。

 

また逆に、小さな柄を全体につけても、せっかく手間ひまをかけたのに小紋の様に見えてしまうので、やはりその様なきものもなかなか売れにくい。

 

それらを考えると、空間を生かした一般的な柄付けになるのでしょう。