きもの着付け教室、着物出張着付けなら、JR横浜線「古淵」の高橋美登里礼法きもの学院

高橋美登里礼法きもの学院

誰だってきものに憧れていい

2015.04.20

5〜6年ほど前、1人の男性からきもの教室への問合せのお電話をいただきました。落ち着いたお話の仕方などから、40歳前後の方ではないかと思います。

 

「…あの…きものが着られるようになりたいのですが」

 

「はい、もちろん大丈夫ですよ。ただ通常のお稽古は女性のみですので、個人レッスンになってしまいます。男性の場合は、女性物より簡単ですので1〜2回のお稽古でマスター出来ると思います。お着物は着流しスタイルですか?それとも袴でしょうか?」

 

「…いえ…女性物のきものが着られるようになりたいんです」

 

???予想外のお返事に言葉を失っていると

 

「…女性物のきものは本当に美しくて、憧れなんです。…実は…私のパートナーは男性です。彼に、綺麗にきものを着た姿を見てもらいたくて」

 

今まで、性同一性障害や同性愛の方とお話した経験が全くなかったので、私の頭は完全に混乱しました。日頃、テレビでそのような方々を見ていて、苦しいだろうな、世の中を生きにくいだろうな、男性だから女性だからと言うのではなく人として付き合っていきたいな、と思っていたのに、いざ、突然目の前にすると身構えてしまったのだと思います。

ほんの一瞬だったか、長い時間だったか覚えていませんが、間違いなく間があいてから私は言いました。

 

「大丈夫ですよ。女物は男物のように簡単にはいかないので、是非一度体験レッスンにいらしてください」

 

 

その方は、

 

「わかりました、また連絡します」

 

 

と言って電話を切りました。電話を切ったあと、私はずっとずっと後悔していました。どれほどの勇気を振り絞って電話をかけてくださったのだろうと考えると申し訳ない気持ちでいっぱいでした。あの方は今までも、会話途中の一瞬の間に、何十回、何百回と傷つけられてきたのだと思います。

その後、その方から連絡はありませんでした。どこか他のきもの教室でお稽古できていれば嬉しいのですが、この経験に懲りてきものを着る事を諦めてしまっていたら…

 

もしもこのブログを読んでくださっていたら、是非、またご連絡をお願いします。もしかしたらまた傷つけてしまうかもしれないけれど、分かり合いたいと思っています。そして是非、綺麗にきものを着た姿で、パートナーとの記念写真を撮って欲しいと願っています。